大阪の先祖調査
都心部の先祖調査が容易ではないことは、以前述べましたが、これは大阪についても同様のことがいえます。
大阪も空襲被害を受けました。
そのせいで、戸籍や古文書類には被害を受けているものもあります。
また、東京と同様に人の出入りが激しい町であるということから、大阪の中心部では、古くからその土地に在住の方が少ないです。
聞き取り調査も難しい
大阪府でも郊外都市にいけば、いわゆる「旧家」の方がお住まいですが、都心部となると違います。
古くからその土地にお住いの旧家の方は、その土地の他の家と親戚関係にあったりして、詳しく知っていることが多いのです。
旧家の方への聞き取り調査が難しいとなると、文献調査に頼るわけですが、戸籍や古文書類があまり期待できないとなると、調査が難しくなってしまいます。
大正・昭和初期に作成された資料をあたろう
しかし、大正・昭和初期の資料であれば、戸籍以外のものが充実しています。
例えば、大阪の中心部では、現在の住宅地図のようなものが作成されています。
一軒・一軒、住民の名前まで記されているものもあります。
これを調べれば、自分の先祖がどこで暮らしていたのか、どこで商売をしていたかといったことが明らかになるのです。
中産階級の家庭が多い
また、総じて言えるのは、明治から昭和初期に大阪に移り住んできた家は、裕福だった家庭が多かったということです。
大阪は、江戸時代から続く商業の中心地であり、官庁の支局や企業の支店などが多く集まりました。
多くの人口をかかえていたので、学校や病院なども多く、必然的にいろいろな職業の方が集まることになります。
商工業者・官僚・裁判官・弁護士・銀行員・会社員・教員・学者・医者などです。
当時は農業や漁業などの第一次産業を中心とした産業構造であり、こうした職業につく人は珍しかったのです。
こういった職業についていた方であれば、明治時代以降に作られた資料に名前が見られることも期待できます。
先祖のルーツが大阪にあるという方は、明治期以降の我が家の様子を、詳しく調べてみるのも良いでしょうね。