大阪の山の手言葉、船場言葉について

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olmusician / Pixabay

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船場商人の言葉とは

日本語には、いろんな方言があります。
現在はテレビの影響によって、それぞれ地方独特の言葉が廃れてしまい、強い方言を話す人が少なくなりました。
テレビでは東京方言を主体とした「標準語」が用いられているので、どこの地方の人でも、その影響を受けた、似たような言葉を話します。
これは、便利なことなのかもしれませんが、言語表現が失われてしまうと考えると、もったいないようにも思えます。

お笑いタレントの話す「大阪弁」

しかし、お笑い番組を見ると、標準語ではない方言が使われていることが多いです。
いわゆる大阪弁(関西弁)というものです。
テレビで耳にする大阪弁は、漫才師や、吉本新喜劇のお笑いタレントたちが話す言葉として理解されています。
お笑いタレントたちが使っているということで、大阪弁は、極めて庶民的な言語というイメージで受け止めている方が多いようです。

しかし、こうした見方は一面的なように思えます。
テレビの漫才師やお笑いタレントの言葉は、近畿方言である大阪弁の一種に過ぎません。
お笑いタレントたちが話す大阪弁は、大阪市を中心として使用される言語のひとつという理解が正確でしょう。

大阪にも「山の手言葉」がある

東京方言には大きく分けて二つの系統があります。
「山の手言葉」「下町言葉」です。
山の手言葉は、アッパーミドル層に用いられる言葉です。
それに対して、下町言葉は、古くから東京に定住している人たちの話す言葉です。一般的に江戸弁といったら下町言葉です。
東京方言にこうした違いがあるように、大阪方言にもこのような違いがあるのです。

参照記事
戦前の中産階級(中流階級)について

大阪の船場言葉とは

船場言葉(せんばことば)と言われるものがそれにあたります。船場言葉は、江戸時代に船場の町人たちが使っていた言葉を元にしています。
船場は、大阪市中央区にある地名です。大坂城の西側に位置し、大阪の町人文化の中心地として知られています。

船場には老舗の商家が多く、公家や武家などを相手に商売をしていたものも多くいました。
そうしたこともあって、丁寧な言葉遣いが求められました。
また、京都の伏見商人や滋賀の近江商人らの船場への流入もあって、京都弁や滋賀弁の影響も受けて、独特の方言が形成されました。

船場言葉は、商人特有の表現もあって、厳密には東京の山の手言葉に対応するものとは言い切れない部分もあります。
しかし、関西弁のなかで、もっとも上品かつ流麗な方言として知られています。

『細雪』で船場言葉に触れる

船場言葉に実際に触れるには、谷崎潤一郎の『細雪』を読むとよいでしょう。
『細雪』は、谷崎潤一郎の妻の四姉妹をモデルにした作品で、船場の富裕な商人の家庭を舞台に織りなされる作品です。
映画にもなっているので、手軽に船場言葉に触れることができます。

参照リンク
森田安松/近代名士家系大観

『あさが来た』で船場言葉に触れる

また、最近ではNHKの連続テレビ小説『あさが来た』で、用いられた言葉が船場言葉です。
『あさが来た』は、大阪の広岡財閥をモデルにしております。
大阪の上流階級の文化を描いたこの作品は、とても人気が高かったので、ご覧になった方も多いと思います。
ヒロイン・白岡あさを演じた女優の波瑠さんや、その夫・白岡新次郎を演じた玉木宏さんら出演者は、船場言葉を勉強したといいます。

こういった作品に触れて、関西弁の持つ美しさに触れてみてはいかがでしょうか。

参照リンク
広岡恵三/近代名士家系大観


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