漢字の表記が異なる名前
江戸時代の人の名前は、同一人物のものであっても、読み方だけ同じで、漢字の表記を変えているものもあります。
誤ってそのように記載している事もありますが、故意にそうしている事もあります。
家系図作成の調査においては、「漢字の表記が違うから…」という理由で、古文書などからご先祖の名前を、見落とさないように注意したいものです。
人名の読み方と漢字表記にまつわる質問をまとめました。
戸籍の名前の表記が異なっている
Q、
家系図作成のために、戸籍を請求してみました。
すると、先祖の名前が思っていたものと異なるものがありました。
高祖父の父にあたる人物で、明治19年式戸籍の「前戸主」の欄に記載されているのですが、「○次郎」だと思っていたところが、「○二郎」と書かれているのです。
祖父の話では「○次郎」で間違いないとのことで、墓石にも「○次郎」と彫られています。
どちらが正しいのでしょうか?
他の親族の名前を手がかりに
A、
これだけの情報では明言できませんが、以下のことが考えられると思います。
・「○次郎」を通名として用いていた
・「○二郎」という戸籍の表記が間違っている
この、どちらかでしょう。
他の親族の名前が、どちらで統一されているかを判断材料にしてみてはいかがでしょうか。
墓碑と古文書の名前の表記が異なる
Q、
先祖の墓碑に書かれている名前と、古文書に書かれている名前が異なっていて、困惑しています。
江戸時代後期の人物で、墓碑には「太郎右衛門」とあるのですが、古文書には「太良右エ門」とあります。
記載内容から、同一人物のように考えられるのですが、どう思われますか?
異なる漢字に置き換えるのは、よくある事
A、
昔の人は、同一人物であっても、読みだけ同じで漢字を違う表記にしている場合もありました。
「太郎」が「太良」になったり、「右衛門」が「右エ門」になったりというのは良くあることです。
したがって、先祖調査をする場合には、異なる漢字であっても読み方が同じならば、同一人物ではないかと考えてみることです。
その他の調査結果から、同一人物と確認できていれば、特に問題ないと判じます。