実子と養子縁組することはできるのか?

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gratefulgirl29 / Pixabay

実の子との養子縁組

昔の戸籍を見ていると、養子縁組がとても多いことに気づきます。
養子縁組という制度がなければ、途絶えてしまっていた家系はとても多いのではないかと思います。
そんな養子縁組制度についての、素朴な疑問を取り上げてみましょう。
それは「実の子と、養子縁組できるのか?」というものです。

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養子縁組には、合理的な理由があった

結論から言えば、実子と養子縁組をすることは、可能です。
そもそも「実子を養子にする」というのは、とても無意味なことのように思えるでしょう。
しかし、これには合理的な理由があるのです。

例えば、母が未婚の時にとして生まれた子どもは非嫡出子となります。戦前の民法では私生子といいます。
この母が結婚して子どもを儲けたとすると、夫とのあいだに生まれた子どもは嫡出子となります。
これに対し、未婚のときに生まれた子どもは、もちろん非嫡出子のままです。

嫡出子と非嫡出子では、相続分に違いが生じた

嫡出子と非嫡出子は、相続分が異なっています。
嫡出子の相続分の半分しか、非嫡出子は相続できません。
長らく、これは日本国憲法第14条第1項の規定する「法の下の平等」に反するものとして批判がされてきました。
非嫡出子をめぐる法的な問題について、これまでに多くの指摘がなされてきたのは、周知の事実です。
しかし、実際にこうした区別は憲法上、問題のないものとされ、放置されつづけてきました。
(2013年9月4日に、非嫡出子による相続分が嫡出子と異なるという規定は、日本国憲法第14条第1項に反するものとして違憲という判断がなされましたので、現在は嫡出子と非嫡出子とのあいだに相続分は同じです)

このような規定があったので、実子と養子縁組するケースが見られたのです。
養子となれば、嫡出子と同様の相続分を受けます。
したがって、非嫡出子である実の子を、養子にしてしまうのです。
こうすれば、相続分で不利になることもありません。
このような理由から、実子と養子縁組するケースが見られたのです。

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