苗字で先祖の職業や身分を調査する方法はあるのか?
よく言われるのは、苗字から先祖がわかるのではないかといったようものです。
杉下という苗字だったら、
先祖は杉の木の下に住んでいたとか、
西山という苗字だったら、
先祖は山の西側に住んでいたのかな、といった具合です。
小田、石田、西田、久保田、神田、
こういった田がつく苗字だった人の先祖は農民で田んぼを持っていた、
といったような類推もよくされています。
苗字を知ることによって
先祖の職業や身分が分かるのか、といったことがあるのかを
考えていきたいと思います。
苗字から先祖の身分や職業はわからない
はっきり言いますと、
苗字から先祖の身分や職業が分かることは一部の例外を除いて、ほぼありません。
苗字の研究と、先祖の研究は似てるように見られますが、まったく別物です。
日本に数件しかない珍姓ならば、
どこの地域出身の家系で、
どういった由来があったのかを知ることはできます。
しかしこうしたケースはそれほど多くありません。
これは一部の例外ですが、
こういった珍しい苗字の場合には、
苗字を調べることによって、
先祖がどこに居住していたのか、
あるいは身分や職業といったことまでわかることもあります。
そういうこともあるので、
苗字の調査が、まったく先祖調査に意味がないかというと、
そうでないこともあります。
苗字を調べることは、家系図調査にまったく無益なわけではないが…
しかし、
特にありふれている苗字の方は、
先祖調査において「苗字の由来から推理する」という方法は、
あまり良いとはいえません。
苗字について網羅的に調べた本を見ると、
どのような場所に、どういった家系がある、というようなことが書かれています。
こうしたことを知るのは、
珍しい苗字とまではいかなくても、
特別にありふれた苗字でなければ、
参考になる部分はあると思います。
しかし、
江戸時代の先祖の職業や身分を調べるうえで、
こういった本を見ることが、
果たして有益なのかというと、
あまり役に立たないと言えるでしょう。