地方の同じ苗字の人は、みんな親戚なのか?

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AshLM / Pixabay

同じ村の同じ苗字は、同族なのか?

先祖を遡る場合には、戸籍に記されているもっとも古い本籍地の周辺を調べることになります。
その際に、親戚宅を探し出します。
「本家」にあたる家が見つかれば良いのですが、見つからない場合もあります。
そういった場合には、同じ苗字の家を手がかりにすることになります。

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同姓でも、親戚ではない!?

同じ地域において、同じ苗字を名乗っている家であれば、親戚なのではないか?と、考えるからです。
しかし、同じ地域において、同じ苗字を名乗っていても、親戚とは限らないのです。
これは、家系図作成の調査において、よく陥りがちな誤解ですので注意してください。

東京都の旧家の実例

具体的な実例を紹介したいと思います。
東京都の、ある地域の旧家の事例です。
現在は同じ字(あざな)になっている地域内において、同姓の苗字の家がたくさんあります。

その苗字を名乗る家は、全国で数万軒あります。
全国で数万軒というと、「見かけない苗字ではないが、それほどいるわけでもない」といった苗字です。
おそらく、普段の生活において同じ苗字の人と出会うことは、ほとんどないと思われる苗字です。

しかし、特定の地域に、希少な苗字が集中しているということは、よくあります
こうした場合、この地域の旧家をルーツとしているのだろうと、考えられるのです。
この事例では、その苗字を名乗る家は、古く遡ると三つの家にルーツを持つことが分かりました。

この三つの家を、仮にA、B、Cとしましょう。
AとBは、江戸時代中期に、近隣の同じ村から新田開発のために出てきた家系です。
Cのルーツは、明らかにならなかったのですが、村の開発状況からして、やはりどこかの村から移住してきたものであると推測しています。
それぞれの家が多数の分家を出し、またその分家が分家を出すといった具合なので、その地域には同じ苗字の家がとても多いのでした。

しかし、ルーツを遡ると、一つの家をルーツとしているのではなかったわけです。
特にAとBについては、同じ村から新田開発で移住してきたという由来にも関わらず、親戚ではないようなのです。
つまり、同じ地域にあって同じ苗字を名乗っているにもかかわらず、親戚同士ではない、ということです。

「苗字」だけで先祖を調べるのは無理

実は、こうした事例は決して珍しいことではないのです。
このようなケースがあることが分かると、「苗字」だけで先祖を調べられる、というのは無理なことに気づきます。
先祖を調べるには、苗字だけの情報にとらわれないようにしましょう。

参照記事
先祖を調べるアプリやサイトは、信用できるのか?

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