家系調査は三つの調査に分類できる
一般的に家系調査は、三つの調査から成り立っていると言えます。
戸籍調査・文献調査・現地調査の三つです。
戸籍調査は、文字通り戸籍の調査のみを指します。
役所に昔の戸籍を請求して、それを読み取ります。
昔の戸籍の請求は、慣れないと面倒ですし、読み取りにはそれなりの知識を要します。
文献調査について
次に文献調査について説明してみましょう。
文献調査で扱う文献には、いろいろなものがあります。
苗字・家紋・郷土史・歴史・地理・地名に関するものです。
こうしたものから、先祖と関わりのある部分を調べて、考察を深めていくのです。
過去帳や宗門人別帳などの調査も「文献調査」と言えなくもないですが、どちらかというと「現地調査」に近いものと思われます。
というのは、過去帳や宗門人別帳などを見るためには、現地に行かなくてはなりませんし、これらの調査は「読解」よりも閲覧許可を得るための「交渉」や、資料がどこにあるのかを「探索」することに重点が置かれる作業だからです。
現地調査について
現地調査は、親戚への聞き取り調査・墓地の調査・古文書の探索などです。
先ほど書いた過去帳や宗門人別帳の調査は、こちらに入ります。
といっても、私が作業の性質から便宜的に分類しているだけで、明確に定義されているわけではありません。
現地調査で必要とされる能力は、知識だけではありません。
交渉力・根気・情熱・体力などが必要です。
特に墓地の探索などは、根気と体力がなければ出来ない作業です。
かといって、こういった能力が備わっているからといって、必ずしも成果が得られるとは限りません。
答えがあるかどうか分からない、というのが家系調査の難しいところです。
家系調査に必要な知識とは
以上を整理してみましょう。
家系調査には三つの調査があります。
戸籍調査・文献調査・現地調査。
戸籍調査をするには、「戸籍の見方」、「旧漢字・変体仮名」、「旧民法」の知識を必要とします。
文献調査と現地調査をするには、
「系譜学」・「民俗学」・「歴史学」・「地理学」・「古文書読解」などの知識を要します。
こうした知識を身につけるには独学しかありません。
日本の大学には、いろいろな学部学科が設けられていますが、「系譜学科」・「系図学科」といったものは存在しません。
民俗学・歴史学・地理学については大学でも教えてくれますが、家系調査で必要となる知識は、これらの学問の中でも、極めて特殊性・専門性の高い領域です。
場合によっては、まったく先行研究がない領域を扱うこともあります。
このように家系調査で必要とされる知識は、極めて横断的かつ専門的な知識が必要となってきます。
参照記事
家系図作成・調査20の方法