名家と、その基準について
よく、「名家(めいか)の御令嬢」なんて言われることがありますね。
「名家(めいか)」の基準というのは、人それぞれだと思います。
「清和源氏から出ている家系」だったり、「医者一族の家系」だったり、「先祖伝来の土地山林を大量に保有している一族」だったり、「旧華族の家系」だったりと、人それぞれ思い浮かぶイメージが異なると思います。
資産家と名家はちがう
まず、一般的によく言われるのは「資産家」であることと、「名家」であることは異なるということです。
確かに、一代で財を成した人物の家族を、「名家」というのは、無理があります。
「名家」という言葉の基準や尺度といったものは、人それぞれの価値観によるものですが、どれも「家系の由緒」と「職業」に関するものを判断の基準にしているように思えます。
家系の由緒と、職業
「家系の由緒」というのであれば、公家の子孫や、武将の子孫といった家系の人たちは、名家ということになるでしょう。
また、江戸時代の先祖が武士・僧侶・神主・庄屋であれば、名流の系統である可能性が高いです。
あるいは「職業」によって、「エリート家系」を「名家」であると考える人もいます。
官僚一族・医者一族・学者一族や、財界人の家系などを「名家」と捉えるのに違和感を持つ方は、あまりいないでしょう。
しかし、「由緒のある家系」が「エリート家系」であるとは限りません。
また、その逆もしかりです。
そう考えると、「名家」であることの条件というのは、益々分かりづらくなるのです。
名家と、閨閥
私が考えるのは、そもそも「名家」である基準などというものは無いように思えます。
ただ、「名家」というものは、閨閥ともいうべき親族集団を形成していることは指摘できると思います。
官僚の家系と、財界人の家系が結びつき、さらに旧華族の家系に結びつくといったようなことは、容易に想像がつきます。
日本の名家が、一つの親族集団を形成しているのは近代名士家系大観を見れば、納得できるでしょう。
こうした閨閥ともいうべきものは、江戸時代以前からありました。
武士の家系同士で結婚したり、庄屋の家系同士で結婚したりといったことは、頻繁に見られます。
結局、「名家」であることの基準は、「名家」と親戚であることなのかもしれません。
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