戸籍上に見る分家と、その種類

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Hans / Pixabay

分家・新家・別家とは

「分家(ぶんけ)」という言葉は、現在でも日常的に使っている方もいると思います。
「分家」は、家制度のもとに、歴史的に長く存続した慣習ですが、現在の民法に、「分家」の概念はありません。

戦前の旧民法には、「分家」が定められていました。
分家は、地方によって「新家(しんや、しんけ)」、「別家(べっけ)」などと言うこともあります。しかし、法律用語として用いられる場合には「分家」で統一されます。
「分家」をすると、戸籍が分かれます。

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家系図作成においては、困った制度!?

家系図作成の調査においては、分家は、良いことではありません。
というのは、分家をすることで、同一戸籍に入っている人の数が減ってしまうからです。
昔の戸籍には大勢の人が入っていましたから、それを見れば一族の親族関係を網羅できます。

しかし、分家している人については、分家した後の情報は、一切分からなくなってしまいます。
こうした点において、家系図を作る上では、不都合な制度と言えます。

こちらの記事では、分家に関するQ&Aをまとめました。

隠居分家という分家の形

Q、
私の高祖父は、長男に家督を譲ったあと、分家しています。
その際に、妻と、未婚の子どもたちを全員連れて、分家しているのです。
何か、家族内でトラブルでもあったのでしょうか?

A、
それは昔、よく見られた分家の形態で「隠居分家(いんきょぶんけ)」と称されるものです。
長男に家督を譲り、先祖の祭祀もすべて長男に委譲するのです。先祖代々の位牌も置いていきます。
そして、隠居した父は、妻と、未婚の子どもたちを連れて、分家します。
別に、当時何かトラブルがあったりしたわけではないと思います。

華族の家から分家すると、族籍は?

Q、
華族の家から、分家した場合、族籍はどうなるのでしょうか?

A、
原則として、平民となります。
ただし、一部例外があります。
分家して、子爵や男爵といった爵位が与えられ、華族になる場合もあります。
近衛公爵家からは子爵家が出ていますし、九条公爵家からは、男爵家を二つ出しています。

士族の家から分家すると、族籍は?

Q、士族の家から分家すると、族籍はどうなるのでしょうか?

A、
士族の家から分家した場合は、平民になります。
分家して平民になったあとで、勲功によって華族になることはありますが、分家した際には、必ず平民になります。
“平民宰相”として知られる原敬は、士族の出身でしたが、分家したので、平民になりました。

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