屋号と先祖の名前の関係

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umehanayuuki / Pixabay

家系図作成における「屋号」とは?

家系図作成の本を見ていると「屋号(やごう)」というものが、出てくることがあります。

現在でも、個人事業主は屋号を用います。
「○○商店」、「○○商会」といったようなものです。
しかし、家系図作成において「屋号」といった場合には、現在用いられる屋号とは、いささか趣が違うものを指します。
こちらの記事では、先祖調査における屋号について見ていきたいと思います。

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江戸時代の屋号について

なぜ、屋号が生まれたのかというと、それは人を区別するためです。
江戸時代において、庶民は名字を公的に使うことができませんでした。
そうなると、人を区別するのに困るわけです。
同じ村に、同じ名前の人がいる場合には、不便ですね。
こうしたことを避けるために、屋号が使われました。
現代の名字と同じような感覚で使われたのです。

屋号を分類してみよう

さて、屋号には、どういったものが用いられたのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
いくつかのパターンに分類できると思います。

・先祖の名前を由来とするもの
・家の立地や地形を由来とするもの
・店の名前を由来とするもの

主に、この三つに分けられます。

先祖の名前を由来とする屋号

まず、「先祖の名前を由来とするもの」です。
これは家を興した人の名前を用いる、あるいは代々襲名する名前を用いるといったものです。

仮に、家を興した人が「文左衛門」であれば、その家の屋号を「文左衛門」にするというわけです。
時代がくだり、その家の当主が、「五兵衛」になっていても、「文左衛門の五兵衛」と呼ばれます。

あるいは、襲名する名前をそのまま用いることもあります。
江戸時代から明治時代にかけて、多くの家で襲名がおこなわれていました。
襲名とは親の名前を、子どもが継ぐことを言います。
現在でも歌舞伎役者の家では、襲名が見られますね。
それと同様です。

家の立地や地形を由来とする屋号

次に「家の立地や地形を由来とするもの」です。
これは、例えば丘の上に住んでいるから「ウエ」とか、下のほうに住んでいるから「シタ」とか、そういったものです。
これに「田」とか「原」といった文字を加えることもあります。

店の名前を由来とする屋号

あるいは、「店の名前を由来とするもの」もあります。
単純に店の名前を示すので、現代人でもイメージしやすいと思います。
商家であれば、このパターンです。
「越後屋、伊勢屋、三河屋」など国名を冠したり、「鍛冶屋、油屋」など職業名を冠したり、いろいろなパターンが見られます。

先祖調査に屋号を役立てる

屋号は先祖を調べる際に、有効な手段となります。
菩提寺で過去帳を調査しても、名前だけしか載っていないので、どれがご先祖だか分からない、といったケースを考えてみましょう。
そういったときに「屋号」が役にたちます。

過去帳のなかには、名前の横に屋号が書かれていて、きちんと誰のご先祖なのか、特定できるようになっているものがあります。

先祖の屋号を、とりあえず調べてみよう

現代の感覚からすると、名字が無いのはかなり不便だろうと思います。
そうであれば、昔の人も不便を感じていたはずです。
昔の人も、それなりの対処法を持っていたのです。

自分の家の「屋号」を知りたいというのであれば、まずは、詳しそうな親戚に聞いてみることです。
現在でも、地方の年輩の方だと、知っている方が多いです。
是非、今のうちに調べておいたほうが良いですね。

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