華族と貴族の違いは?皇族や貴族院、伯爵・男爵との違いは?

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Pezibear / Pixabay

旧華族と貴族との違いや貴族院制度などを解説!

華族と貴族とは、どのような意味の違いがあるのでしょうか?

これを理解するには、
まず華族という言葉を理解することからはじめてみましょう。

華族という言葉は、
明治・大正・昭和戦前を通じて、日本にのみ存在した貴族制度のことです。

したがって、
イギリスやフランス、中国などに華族というものは存在した歴史はありません。

華族というのは、日本において、明治・大正・昭和戦前期という、歴史的に見れば、一時的な時代においてのみ、存在した制度なのです。

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貴族とは?その意味と、華族との違い

それでは次に、
貴族という言葉の意味を考えてみましょう。

貴族というのは、国により特権的な身分を与えられている階級の人たち、という意味です。

ということは、
華族であれば、無条件で貴族ということになるのです。

整理するならば、
「明治大正昭和戦前期の貴族」のことを、「華族」といいます。

華族は江戸時代以前には、存在しなかった

日本には、
華族制度が制定される明治時代以前から「貴族」は存在しました。

よく知られているのは、
平安時代に栄えた、藤原氏でしょうか。

日本は、貴族を中心とした公家社会から、武士を中心とした武家社会へと、
変わっていった歴史があります。

そういったこともあって、
江戸時代の貴族というのは武士に比べて、影の薄い存在です。

徳川将軍家はもちろんのこと、伊達家・前田家・島津家などの殿様の家系は、
江戸時代を通じて、特権的な存在でしたが、これらの家は「武士」であって、「貴族」ではありません。

華族と貴族院との違いと関係は?

また、
華族と誤解されやすい言葉に、「貴族院」というものがあります。

「貴族院」とは、明治・大正・昭和戦前期における日本の国会「帝国議会」の上院のことです。
「貴族院」の後身が、現在の「参議院」ということになっています。

ただし、
戦前日本の貴族院が、現在の参議院と異なるのは、
現在の参議院のように直接民主制による選挙によって、議会が構成されていたわけではない、ということです。

貴族院を構成する議員は、
天皇によって任命されるものであり、
皇族だったり、華族だったり、多額納税者だったり、学者だったりするのです。

とはいうものの、
貴族院議員は、全員が「貴族」だったわけではありません。

貴族院議員のなかには、
「皇族」もいれば、当時の「貴族」である華族、それから「平民」もいました。

華族と伯爵・男爵は同じ意味?違いは?

また、貴族というと「伯爵」とか「男爵」といった称号もよく目にすると思います。
「フランス貴族のジルノルマン男爵」といったような記述が、よく見られますね。

「伯爵」とか「男爵」というのは、
貴族のうちの称号であり、貴族間の階級を示します。
上から「公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵」となります。

したがって、
「伯爵」とか「男爵」という称号を持っている人物がいれば、
その人は「貴族」ということになります。

日本の「華族」には、これらの称号を与えられていたので、
「華族」のものは、「伯爵」や「男爵」といった称号を持っていることになります。

しかし、
これらの称号は、「華族」制度が発足してから少しして、欧米から輸入されたものであり、
江戸時代以前の貴族には「伯爵」とか「男爵」などという称号はありませんでした。

以上みてきたように、
華族という言葉と、貴族という言葉は、似ているようでまるで違うものです。
それに、「貴族院」というものがあるために、さらに複雑なものとなっているのです。

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