丹羽基二先生が説く、先祖を調べる方法
丹羽基二先生といえば、家系図を作成している方であれば、お名前をご存知かもしれません。
丹羽基二先生は、苗字・地名・家紋の研究家として、偉大な功績を残しました。
苗字と家紋の関係を調べるために、日本全国の墓地を訪ねて歩いたといいますから、すごいですね。
その研究の成果は、150冊あまりにのぼる著書にまとめられています。
家系図作成の本の中から紹介
丹羽基二先生は、家系図作成・先祖調査の本も書かれています。
苗字の専門家ということもあって、苗字から先祖を調べるということについては、右に出るものはいません。
丹羽基二先生が説く、先祖調査の方法を私なりにまとめてみました。
苗字の読み方を確認する
まずは、苗字とその読み方を確認してみましょう。
苗字の分析をするには、読み方も重要な要素になってきます。
自分が名乗っている苗字であれば問題ないでしょうが、祖母の実家とか曽祖母の実家といった、異なる家系となると「正確な読み方を知らない」ということもあるかもしれません。
親戚のなかで分かる人に聞いて、読み方を確認しておきましょう。
苗字の読み方については、戸籍を見ても書いてありませんので、知っている人に聞くのが良いのです。
そして家紋も調べておくと良いでしょう。これも家系を調べる上で判断材料になります。
分からなければ、家系調査の過程で明らかになることも多いので、そのままにしておいても構いません。
参照記事
家紋の調べ方
「苗字」と「先祖調査」によくある誤解
一般的に、同一の苗字であれば、すべて同じ先祖を持っているのではないかと、思われる方が多いようです。
つまり苗字さえ分かれば、遠い先祖のことが、すぐに明らかになるのではないかと思っているということです。
なかには、そういった苗字もあります。
しかし、そういったケースは極めて少ないと考えておきましょう。
同じ苗字でも、いくつもの系統があるのです。
苗字のルーツを調べる
さて、苗字から先祖を調べる方法ですが、苗字のルーツを探すというのが目標になります。
いわば、“苗字の発祥地”を探すのです。
そのためには、以下の調査をおこないます。
①先祖の墓地または寺を探す
これは、苗字の発祥地と重なることも多いので、大変有効な調査です。
②苗字と同じ地名を探す
苗字の約85%は地名を由来にしています。
地名は小字(こあざ)のような細かい地名も含めれば、約2000万もあります。
また、現在は存在していなくても、かつてあった消滅した地名というのもあります。
そういったものも含めて調べます。
小字については以下の記事も参照されてください。
小字の調べ方と、家系図作成との関係
③同姓の人を探す
全国の電話帳を駆使して、同姓の人を探しましょう。
珍しい苗字であれば、この方法は効果的です。
このような手順で、苗字の発祥地を調べるのです。
そして苗字の発祥地を知ることこそ、家系を調べることに他ならないというわけです。
こうした方法は、現在、行われている家系調査の手順とはだいぶ異なりますが、苗字研究の大家である丹羽基二先生らしいアプローチですね。
珍しい苗字の方は、是非試してみてください。
関連記事
苗字と先祖の身分の関係は?