宗門人別改帳とは
家系調査の基礎的な資料として、必ずあげられるのが宗門人別改帳(しゅうもんにんべつあらためちょう)です。
家系図作成の本には、必ず書かれているので、ご存知の方も多いと存じます。宗旨人別改帳・宗門人別帳と称されることもあります。
宗門人別改帳は、江戸時代の戸籍のようなものです。
庄屋・名主などの村役人が作成して、領主に提出しました。
定期的に作成されたので、これを見れば、先祖の家族の変遷が分かるのです。
現在でも元庄屋・元名主宅には、宗門人別改帳の控えが、そのまま残っていることがあり、家系図作成において、大変有効な資料になります。
宗門人別改帳は家系調査に有効だが…
宗門人別改帳は、江戸時代初期から明治初年にかけて定期的に作成されたものです。
したがって、これらがすべて保存されていれば、300年のあいだの家系がすべて明らかになります。
しかし、大切に保管されているものは、少ないです。
多くはすでに散逸してしまっております。
宗門人別改帳は活字化され、図書館にあることも
宗門人別改帳は古文書なので、当然手書きで書かれております。
「くずし字」という古文書特有の書体で書かれているので、読み取りにかなり苦労すると思います。
郷土資料が充実している自治体では、宗門人別改帳を活字化しているところもあります。
「○○市史 資料編」といったタイトルの本のなかに、収録されている事があります。このように活字化されていれば、図書館でも閲覧可能なので大変便利です。
わざわざ難しい「くずし字」を読む必要がないので、大いに家系調査がはかどるものと思われます。
原本にあたる理由
しかし、活字化されたものがあった場合でも原本にあたることも大事です。
その理由は、「印影(いんえい)」を見られるからです。
宗門人別改帳には、各家の印鑑が押されていました。
印影の分析が、家系調査に役立つことがあるのです。
活字化されたものですと印影は、「㊞」といった形で表記されていますので、どういった印影なのか分かりません。
印影を確認するためには、どうしても原本にあたらなくてはならないのです。
参照記事
江戸時代の庶民の印鑑について
家系調査の高度なテクニック
とはいっても、活字化された資料があれば、まずそれを調べることが大事です。
活字化されたものがあれば、それをもとにして、古文書を読み解きできるので、非常に効率が高まります。
印影の照合は、かなり高度なテクニックですが、本格的に家系図作成の調査をするとなると、こういったことも必要になってくるのです。
関連記事
宗門人別改帳の調査
宗門人別帳の保管場所を探す方法