古い家系図の問題点

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bodiantal / Pixabay

先祖伝来の家系図について

日本には、古い家系図がたくさん残っております。
江戸時代であれば、諸藩の武士たちは、藩に家系図を提出していましたし、庄屋や神官などの家では家系図が残っていることが多いです。

しかし、そういった先祖が描いた家系図に、親族情報がすべて網羅されているかというと、そうでもありません。

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家系図の基本の形

江戸時代以前の家系図の問題点としては、以下の二点があげられます。
女性の情報が少ない
兄弟姉妹の情報が少ない

多くの系図が、歴代の当主の名前だけが書かれ、それが縦線で代々つながれているというシンプルな形式のものです。
歴代当主の欄に「妻・○○の娘」といったような記載がある場合もありますが、無い場合もあります。
また、兄弟姉妹の情報については、書かれていないものが多いです。

つまり、多くの家系図は、大きく省略された「略系図」でしかないということです。

家系図には、つくる人の意識が表れる

もともと、日本における「家系図」とは、このような体裁のものを指します。
現在、家系図を作成する場合には、夫と妻を横線で結び、子どもを縦線でつないで描くのが通常です。
しかし、こうした形式の家系図が現れたのは、戦後になってからのことです。

家系図の描き方をみると、作成者の思考様式が手に取るように分かります。
つまり、昔は女性や、跡取り以外の子どもの地位が低かったので、家系図に描かなかったのでしょう。

現代の私たちの価値観からすると、男尊女卑とか、特定の子どもを贔屓するという発想は、理解できません。
そして、こういった思考様式に則って描かれた家系図に、盛り込まれなかった内容を知ることは、ほぼ不可能です。

家系図作成のポイント

したがって、現在の私たちが家系図を作成する際には、省略がなく、正確なものをつくるように心がけることが、重要なことと思われます。

人は、自分が当たり前だと思っていることを、書かない傾向にあります。
例えば、ご自分のお名前に振り仮名をつけてみるのは、どうでしょうか?

自分の名前ですから、自分では読み方を知っていますが、他の方からしたらどうやって読むのか分からない場合もあります。
戸籍には、名前の読み方は記されないので、読み方の記載は是非しておきたいものです。

振り仮名が書かれていないと、後の時代になって、子孫たちがあなたの名前を見たときに、「この方のお名前は、なんと読めばよいのだろう?」と考えてしまうことになります。
こういった先のことまで配慮して、正確な家系図をつくっていきましょう。

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