苗字の由来を調べるアプリで分かる事
スマホアプリや、インターネットサイトで、「自分の先祖が分かる」といったものがあります。
こうしたもので、自分の先祖が分かるのでしょうか?
考えてみたいと思います。
スマホアプリやインターネットサイトは実に手軽です。
こうしたもので、自分の先祖が分かるのならば、利用してみたいですね。
こういったものは、自分の性別や年齢・出身地といったことを入力するだけのものや、自分の苗字だけを入力するものなど、いくつかの種類があります。
性別・年齢・出身地だけで、先祖が誰か分かる!?
まず、自分の性別や年齢・出身県を入力して、先祖を調べてくれるアプリについて、考えてみましょう。
「自分の性別と、年齢と、出身県」
これだけの情報で、自分の先祖が分かるそうです。
診断結果として、「あなたの先祖はお殿様」とか「あなたの先祖はお姫様」といったことが明らかになります。
こうしたものは、どの程度信用できるのでしょうか?おそらく、これは考えるまでもないと思います。
「自分の性別と、年齢と、出身県」で、自分の先祖がどういう人物だったのかは、分かるはずがありません。
もしも、こういったもので先祖が分かるのであれば、「同じ性別で、同じ年齢で、同じ出身県」であれば、みんな同じ結果になるはずです。
つまり、公立小学校の同学年の児童であれば、男子児童は全員「お殿様の子孫」で、女子児童は全員「お姫様の子孫」ということになっていまいます。
こういったアプリは、ただのエンターテイメントに過ぎないものです。
「先祖調査」というよりも「先祖占い」といったような一時的な娯楽に過ぎないものなのです。
つまり、まったく信用できないものと、断言できます。
苗字の由来で、先祖が分かるのか?
では次に、苗字を入力するだけで、先祖を明らかにしてくれるサイトはどうでしょうか?
自分の苗字を入力すると、「○○天皇の末裔」とか「藤原氏の末裔」といったようなことを、教えてくれるようです。
これについても、ほとんど信用できないものとして考えてよいです。
これまでにも繰り返し書いてまいりましたが、「苗字」だけの情報で、先祖を特定することは、ほとんど不可能です。
苗字研究と先祖調査は似て非なるもの
実は、こうしたサイトは、
図書館に置いてある
苗字研究の本の内容を紹介しているのです。
苗字研究と、
先祖調査はよく混同されることが
ありますが、
似ているようで
まったく違うものです。
苗字の研究家は、
家系の研究家ではありません。
実際に、
苗字の研究家が書いた
先祖調査の本は、
間違いが見られることも多いです。
苗字は先祖から受け継がれたものであり、
先祖とのゆかりを感じるものなのでありますが、
「○○という苗字だから、源氏の子孫」とか
「□□という苗字だから、武士の子孫」といったように、
先祖の出自を、
安易に特定することはできません。
先祖を調べる上で、すべきこと
先祖のことを調べるのであれば、
このような
アプリやサイトを利用するのではなく、
古いことに詳しそうな親戚を訪ねて、
先祖のことを聞いてみるほうが、ずっとためになります。
本格的に先祖のことを調べたい、
というのであれば、
ある程度、手順というものが確立されています。
以下の記事を参照されると、よく分かると思います。
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