先祖の墓石の調査方法
墓石を建てるのが庶民にまで広まったのは、江戸時代に入ってからです。
江戸時代には、檀家制度によって、庶民層にも先祖供養の行事が普及していきます。
はじめは、地主層の有力農民たちが墓石を建てました。
その後、一般の農民にまで普及していきます。
家単位の墓石は明治時代から
現在、墓地を見渡すと、「○○家之墓」といった墓石が建ち並んでいますが、江戸時代にはこういった家単位の墓はありませんでした。
このような家単位の墓は、明治時代後半から見られるようになっています。
江戸時代中期までは個人の墓が一般的であり、江戸時代後期になると夫婦で一つの墓石になっているものが見られるようになってきます。
墓石の調査は読み取りだけではない
墓地の調査では、墓の記載だけでなく、位置関係も重要な要素となります。
周りにどういった家の墓があるのかは、重要な手がかりになるので、よく観察してみましょう。
寺院墓地であれば、本堂に近い位置に、家格の高い家が集まる傾向にあります。
また、同じ一族の墓も一箇所にまとまっていることが多いです。
そういったところから、本家・分家といった関係を探る手がかりを得るのです。
それから、墓石の配置関係からも分かることがあります。
観察することで、夫婦関係・親子関係などを割り出すことができます。
墓石の調査は難しい
とはいっても、古い墓石の調査は、かなり大変な作業です。
まず、江戸時代に建てられた墓石が残っている家は少ないです。
また、江戸時代の墓地は、寺院や霊園にあるのではなく、山の中腹のようなところにある場合もあるので、どこにあるのか調べるのも難しいのです。
そして、無事、先祖の墓石が見つかったとしても、古いものだと磨耗が激しく、読み取りに苦労します。
墓石は側面に、俗名や続柄などの情報が書かれている場合が多いのですが、横に、ぴったりと寄り添うように墓が建てられてしまっている場合には、側面の読み取りは不可能です。
こういったことがあるので、江戸時代以前の先祖の調査というのは、かなり難しいものとなってしまいます。
このように家系調査は、江戸時代のことまで調べるのは、なかなか難しいのです。
参照記事
先祖の墓地調査