先祖調査にまつわる書き間違い対策
古い家系図や、過去帳、位牌などは、家系調査において、欠かせない資料です。
しかし、これらには、しばしば書き間違いが見られます。
こうしたものに、見られる誤記の多くは「写し間違い」が原因です。
現在であれば、コピーをとれば済みますが、昔は手で書き写していました。
書き写す際に、間違ってしまうのは仕方のないことでしょう。
古い資料に矛盾点がある、といって考え込んでいる原因が、単なる写し間違えによるものだった、というような事は、よくあることです。
家系図、過去帳に見られる写し間違い
例えば、家系図が古くなってしまったので、新しく書き直そうとしたら、うっかり写し間違えてしまったなんて事は、いかにもありそうですね。
また、家にある過去帳にも写し間違いは多く起こりそうです。
過去帳には二種類ある
実は、過去帳には二種類あります。
一つは、寺が保管しているもので、もう一つは、各家が保管しているものです。
家系図作成において「過去帳」というと、寺にあるものを指すことが多いです。
寺にある過去帳は、多くの檀家の先祖の戒名をまとめたものです。
一方、家にある過去帳は、その家の先祖の戒名をまとめたものです。
家の過去帳を見ると、墓地に彫られている内容と違うといったようなことは、よくあります。
戒名、俗名、没年月日、続柄など、細かい点が異なっているのです。
記載内容が異なる原因
なぜ、このようなことが起こるのかというと、「写し間違い」が原因です。
おそらく家にある過去帳は、菩提寺の過去帳から、誰かが書き写したものだと思います。
住職かもしれませんし、何代か前の先祖かもしれません。
その際に、写し間違えたのでしょう。
家系調査の上では、どれを信じればいいか
こうした場合、正確な情報を調べるには、どうすれば良いのでしょうか。
他の調査とも照らし合わせた上で、信用性の高いものを信じるしかない、と言えます。
墓石の情報、寺の過去帳、家の過去帳、位牌と四つの情報のうち、最も正確なのは、どれでしょうか?
このなかで最も正確なのは、墓石です。次に正確なのが、位牌。
その次に、寺の過去帳です。
そして、最も信用性に欠けるのが、家の過去帳だと思います。
結局、人の手が加わりやすいものは、写し間違いが生じやすいので、信用性が劣るのです。
墓石や位牌は長持ちしますので、作り直されることはあまりありませんが、過去帳はそうでもありません。
寺の過去帳は、書き直されることが多いです。
また、それを写した「家の過去帳」であれば、写し間違いが生じる機会が多そうですね。
とは言っても、過去帳が重要な情報源であることは言うまでもありません。
先祖調査をする上では、総合的に考えていかなければならない、といったことを覚えておきましょう。
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