戦前日本の勲章制度と、種類・勲等について

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tpsdave / Pixabay

戦前の勲章制度

現在でも春の叙勲・秋の叙勲というものがありますね。
叙勲者が発表されると、新聞やテレビなどでも大きく扱われます。
現在、日本には、菊花章・桐花章・旭日章・瑞宝章・文化勲章・宝冠章と、六種類の勲章があります。

そのなかで、主に叙勲されるのは、旭日章と瑞宝章の二つです。
なお、菊花章については皇族や元首相、桐花章は元衆議院議長・元参議院議長・元最高裁長官などを、宝冠章については外国人を対象としています。

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旭日章・瑞宝章の種類

旭日章・瑞宝章は、それぞれ六種類に分けられています。
旭日章だと、「旭日大綬章・旭日重光章・旭日中綬章・旭日小綬章・旭日双光章・旭日単光章」という種類に分けられています。
瑞宝章では、「瑞宝大綬章・瑞宝重光章・瑞宝中綬章・瑞宝小綬章・瑞宝双光章・瑞宝単光章」とあります。

かつての勲章制度には勲等があった

以前は、勲章制度には等級がありました。
「勲一等旭日大綬章」とか、「勲二等瑞宝章」といったように呼称されていました。
「こちらの呼び方のほうが、馴染みがある」、という方も多いのではないでしょうか。
2003年までは、勲一等から勲八等までの八等級に分けられておりました。これを「勲等」といいます。

旭日章には、
勲一等旭日桐花大綬章
勲一等旭日大綬章
勲二等旭日重光章
勲三等旭日中綬章
勲四等旭日小綬章
勲五等旭日双光章
勲六等旭日単光章
勲七等青色桐葉章
勲八等白色桐葉章
という種類の勲章がありました。

瑞宝章には、
勲一等瑞宝章
勲二等瑞宝章
勲三等瑞宝章
勲四等瑞宝章
勲五等瑞宝章
勲六等瑞宝章
勲七等瑞宝章
勲八等瑞宝章
という種類の勲章がありました。

その他、勲一等の上に、大勲位として菊花章があります。

戦前と戦後の勲章制度の違い

戦前の勲章制度と、戦後の勲章制度の違いを見ていきましょう。
戦後の勲章制度では、高齢になってはじめて、勲章を拝受されます。
新聞などに叙勲者の一覧が出ているのを見ると分かりますが、高齢の方ばかりです。

これに対して、戦前では若くても叙勲されました。
位階制度と同じように、どんどん等級が上がっていくのです。
はじめ、勲六等瑞宝章を受章し、次に勲五等瑞宝章を受章、その後、勲四等瑞宝章を受章するといった具合です。
これは、現代とはまったく違うので、よく理解しておきましょう。

戦前の勲章制度の特徴

戦前においては、位階と同じく、勲章についても官僚・軍人・教員などの公職についたものが対象となりました。
実業家などの民間人が受章することは、極めてまれなことでした。
勲章の等級については、位階と釣り合うようになっています。
「正三位」だけど、「勲六等」といったことは、特殊なケースを除いて、まずありません。
「正三位」であれば、「勲一等」か「勲二等」と、おおよその相場が決まっているのです。
具体的にどのように対応するのかは、年齢や職業・立場によっても異なりますが、大まかにまとめると以下のようになります。

大勲位…従一位・正二位
勲一等…従一位・正二位・従二位・正三位・従三位・正四位
勲二等…正三位・従三位・正四位・従四位
勲三等…従三位・正四位・従四位・正五位・従五位
勲四等…正四位・従四位・正五位・従五位・正六位
勲五等…従四位・正五位・従五位・正六位・従六位・正七位
勲六等…従五位・正六位・従六位・正七位・従七位

勲七等・勲八等については、位階を叙位されていなくとも叙勲されることも多くありました。
また、官僚や教員に比べて、軍人のほうが高い等級の勲章をもらうことが多かったようです。また、軍人・軍属にのみ拝受される金鵄勲章というものもありました。こちらは功○級といったような記載をします。功一級から功七級までありました。

もしも、家に「祖父がもらった勲章がある」というような場合には、お祖父さまの経歴を調べてみると、面白いのではないかと思います。

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