家系図作成の調査をしていると、「本家(ほんけ)」とか「分家(ぶんけ)」といった言葉をよく目にすると思います。
そもそも「本家」とか「分家」とは、どういった意味なのでしょうか?
分かりやすく説明してみたいと思います。
本家、分家の意味は、相対的なものに過ぎない
まず、理解しておくべきなのは、「本家」という言葉も「分家」という言葉も、相対的な関係を示したものに過ぎない、ということです。
「本家」と呼ばれる家は、ある家に対しては「本家」であっても、別に家から見ると「分家」であるということです。
家同士のあいだの相対的な関係を示しているのであって、絶対的な「本家」というのは、ほとんど存在しません。
具体例から、本家と分家の意味を知ろう
具体的な例を示して説明しましょう。
お父さんがいます。
子どもは長男・一郎と、二男・二郎のふたりです。
二男は独立し、家庭を持ちました。
長男は、親の後を継ぎました。
この場合、二男の家は、長男の家から見て「分家」と言えます。
そして、長男の家は、二男の家から見て「本家」と言えます。
しかし、その後、二男・二郎にも二人の子どもができたとします。
二男の長男は二太郎、二男の二男を二次郎と言います。
二次郎は独立して家庭を持ちました。
二太郎は親の後を継ぎました。
この場合、二次郎の家は、二太郎の家から見て「分家」と言えます。
そして、二太郎の家は、二次郎の家から見て「本家」と言えます。
しかし、二太郎の家は、もともと父・二郎の兄にあたる一郎の家から、「分家」した家です。
つまり、二太郎の家は、二次郎の家から見れば「本家」ですが、一郎の家から見れば「分家」です。
このように、それぞれの家の関係性によって、異なってくるのです。
こうした場合、二次郎の家から見て、二太郎の家を「本家」、一郎の家を「総本家」と呼んで、区別することもあります。
本家の役割
本家は土地を相続し、祭祀(さいし)を継承します。
祭祀とは、先祖供養のことです。
本家には、その家にいた先祖代々の位牌があり、墓を管理し、先祖供養を行ないます。
したがって、家系図作成の調査を行なう上で、本家の調査は欠かせません。
本家にある位牌を見れば、ご先祖の記録が明らかになるからです。
家系図作成の上での本家の調査
明治時代から戦前にかけて大きく人口が増えました。
そして、戦後は核家族化が進みました。
したがって、明治時代以降、多くの「分家」を出していると思います。
そうしたなかで、家系調査をする上で大切なことがあります。
それは、幕末の時点における先祖の位牌を、管理している家を探し出すことです。
多くの家庭では、こうした家を「本家」と呼んでいます。
みなさんは自分の先祖が、江戸時代にどこの地域に住んでいたのか知っていますか?
先祖の居住地を知ることは、家系調査にとても大事な要素となってきます。
もしも、分からなければ戸籍調査をすることで、明らかになると思います。