戦前の戸籍の書き間違い

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Kapa65 / Pixabay

戸籍の記載が不自然

戦前の古い戸籍を見ていると、思わぬ記載に多く出会うことと思います。
戸籍は、極めて信頼性の高い資料です。
しかし、戸籍の記載がすべて正しいのかというと、そうでもありません。

特に、明治19年式戸籍については、不正確な記載が多いです。
なぜかというと、当時の戸籍作成の際には、自己申告に基づく部分があったからです。
古い戸籍を見るときは、戸籍内に矛盾する記載が見られないか注意しましょう。
また、他に確認できる情報があれば、それらも考慮して、総合的に判断していくことを心がけたいものです。
この記事では、戸籍の内容と事実が異なるケースを分析しています。

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内容が矛盾している

Q、
明治19年式戸籍の記載に、おかしな記述がありました。
戸主は私の曽祖父で、慶応元年(1865年)の生まれです。
戸籍内には、曽祖父の母として、安政4年(1857年)生まれの方の名前があります。
曽祖母は明治9年(1876)入籍と書かれております。
戸籍の記載をもとに考えると、曽祖父の母は、8才で曽祖父を産んで、その後21才のときに嫁いできたことになります。
明らかに矛盾すると思うのですが、どうなのでしょうか?

A、
質問者様の戸籍の読み取りは、正確なものだと思います。
明らかに、その女性は、曽祖父様のお母さんではないでしょう。
その女性は、高祖父様の後妻です。
曽祖父様から見ると、継母(ままはは)に当たります。
こうした例は、実に多くの戸籍で見られます。

母親の欄が空欄になっている

Q、
家系調査をしていて、古い戸籍を取り寄せてみました。
書式から明治31年式戸籍だと思われます。
私の高祖父は、両親を記載する欄に、母親の名前の記載がなく、空欄になっています。
これは、どういったことなのでしょうか?

A、
明治31年式戸籍において、母親の名前が空欄だということは、その前の戸籍である明治19年式戸籍においても、母親が戸籍に入っていなかったということを意味します。
つまり明治19年式戸籍が作成された段階で、除籍されていたということです。
離縁されたのかもしれません。
母親の欄が空欄ということは良くあります。
昔の人の、戸籍記載はいい加減なところもあり、こうしたケースはよく見かけられます。
実際に、母親が分からなかったということではないと思いますよ。
遠縁の親戚の情報などを集めて、綿密に家系調査をすすめていけば、お母様のお名前が分かるかもしれません。

生年月日が違う

Q、
昔の戸籍の生年月日には、不正確なものも多いと聞いたことがあります。
実際のところどうだったのでしょうか?

A、
生年月日に関しては、不正確な記述は多いです。
特に明治初頭以前に生まれた方の生年は、実際よりも下になっている場合が見られます。
戦前生まれの方は、実際の生年月日と戸籍上の生年月日が違うということは、よくあることです。

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