幕末の先祖の身分や、江戸時代中期以前の先祖調査が難航する理由とは?
家系図作りをはじめた方にとって、
目標となるのは幕末のご先祖がどこに住んでいて、
どういった職業だったか、といったことではないでしょうか。
先祖の居住地については、
戸籍がきちんと保存されているならば、わりと簡単にわかります。
ここまでを知るのが先祖調査をする人にとっての
第一関門といってよいでしょう。
幕末をひとつの区切りとして見るのです。
幕末まではわりと簡単に調査が進むが、それより前は難しい
こうしたことは、結構すんなりとわかる事も多いです。
親戚の詳しい人が知っているとか、言い伝えがあるといったこともあるでしょう。
また、そうした言い伝えが何もなかったとしても、
先祖の職業についても手がかりが残されていることが多いです。
専門家があたれば、
戸籍情報だけで先祖の職業について、推測できる部分も多いです。
そうなると、
幕末のご先祖については、わりと簡単に判明するのではないかと思います。
しかし、幕末より前の時代をさかのぼるとなると、かなり大変な作業となります。
江戸時代中期より前は、史料があまり残っていない
幕末よりも前の時代を調べるのが
難しい理由について書いていきましょう。
それはなぜかというと、
残されている情報や手がかりとなる資料が少ないからです。
宗門人別改帳とか分限帳とか、
神社や寺の資料などをあたっていくわけですが、
江戸時代中期より前となると、
いろんな資料をあたってみても、極端に情報量が少なくなることが多いように思われます。
江戸時代中期より前の先祖調査は…
昔の方はあまり記録を残したがらなかったのか、
あるいは残していた資料が散逸してしまったのか…
いずれにしても後世のものとしては、残念なことですね。
こういうときは
どうすれば良いのでしょうか。
家系調査というのは、
残っている史料がすべてです。
事実は資料のなかにあり、
史料がないものは、かりに事実であったとしても証明の仕様がないので、
事実とは言い切れません。
つまり、わからないという判断をすることになります。
身もふたもないような話ですが、
家系調査は、調べる家系がどういった家系なのかというのが
すべてなのです。
史料がたくさん残っている家系は、調べやすいし、
そうでない家系は調べにくい。
ひとつでも多くの資料が残っていることを願うばかりです。