大名の移り変わりと、家系図作成
家系図作成を進める上では、大まかな歴史的な理解が必須となります。
戸籍調査や、親戚への聞き取り調査によって、江戸時代における先祖の居住地が分かったら、まずは、その土地の歴史を調べてみましょう。
その際に注意して調べたいのが、大名の移り変わりです。
大名の変遷を調べる
まずは、幕末における大名を調べましょう。
それから順に時代をさかのぼっていきます。
江戸時代には国替えといって、大名の移動もあったので、ある時代を境に、別の家が大名になっているかもしれません。
桃山時代の大名を調べる
江戸時代の大名の変遷を調べたら、今度は桃山時代です。
桃山時代と江戸時代初期では、大名が異なっている場合が多いです。
桃山時代は、豊臣秀吉が天下をとっていた時代です。
秀吉から天下を奪ったのが、徳川家康です。
こうした歴史的背景があるので、秀吉の支配下にいた大名は、江戸時代初期に、改易されたり、他の土地に転封されたりと、何らかの影響がありました。
戦国時代の大名を調べる
次は、信長や秀吉が覇権を握る前の大名を調べてみましょう。
つまり、戦国時代の大名です。
青森でしたら南部晴政、新潟でしたら上杉謙信、山梨でしたら武田信玄、岐阜でしたら斉藤道三、奈良でしたら筒井順慶といった人たちです。
戦国大名については、歴史小説やドラマ、ゲームなどを通して、知っている方も多いでしょう。
そして、室町時代の守護大名についても見ておきます。
なぜ、家系調査に必要なのか?
このように、時代ごとの大名を追っていくのです。おそらく、時代ごとに大きく変遷していると思います。
ではなぜ、こうした知識が、家系調査に必要になるのかというのを説明しましょう。
支配者が変わると、その家臣たちにも大きな影響が出ます。
例えば、ある戦国大名に仕える武将の一族であっても、合戦に敗れたら、これまでの身分を捨てて帰農したケースは多く見られます。
家系図作成には広い視野を持つことが大事
そして、こうした家の子孫が、江戸時代は農村部で地味に暮らしてきた、というのは、よくあることです。
苗字や家紋をまるっきり変えてしまっているケースもあります。
落ち武者狩りのようなこともあった時代ですので、こうした家系であれば、先祖の由緒を他の人に知られるのは不都合な場合もあったはずです。
自分の家系は、必ず歴史的な流れとリンクするはずです。
家系図作成には、広い視野を持つことが大事だと思います。
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