明治・大正・昭和戦前の物価指数の推移と、貨幣価値の水準を換算!

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bykst / Pixabay

明治時代から昭和初期の貨幣価値や、物価指数を現在に換算すると?1銭や1円の価値は?

ご先祖の暮らしぶりを理解したいのであれば、当然、歴史的な理解というものが必要になってきます。
大まかな歴史というのであれば、学校の日本史の教科書に書かれているようなことを理解していれば良いでしょう。
しかし、それだけでは、分からない部分というのがあります。

このサイトは、そういった、教科書には書かれていない日本史の知識の吸収し、より一層、ご先祖様に思いを馳せるきっかけになれば、と思って書かれております。

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明治から昭和戦前期における消費者物価の変動

この記事では、明治時代から終戦までの物価について、書いてみました。
日本の物価について考えた場合、明治から太平洋戦争に至るまでの約80年間のあいだに、それほどインフレが進まなかったという事実を、まず覚えておく必要があります。
明治から昭和戦前期においては、物価の変動が小さかったのです。

明治6年(1873年)の消費者物価を100としてみます。
それを基準に、物価の変動を考えてみましょう。
明治36年(1903年)・・・199
大正9年(1920年)・・・661

明治36年(1903年)というと、日露戦争開戦の前年にあたります。
明治6年(1873年)から30年間で、消費者物価は、約2倍になったわけです。

その後、大正時代の好景気がやってきます。
大正時代は、「大正ロマン」なんて言葉もありますが、実に華やかで豊かな時代だったのです。
その影響で、消費者物価も急激に上昇します。

昭和における消費者物価の変動

その後、昭和恐慌がやってきて、経済は低迷します。
明治6年(1874年)を100とした場合の、昭和戦前期における、消費者物価の変化を追っていきましょう。
昭和6年(1931年)・・・296
昭和10年(1935年)・・・392
昭和15年(1940年)・・・647
昭和20年(1945年)・・・1380

大正9年(1920年)が661でしたから、昭和恐慌で一気に、消費者物価は下がったことになります。
デフレの時代になったわけです。

その後、徐々にインフレが進み、太平洋戦争が始まってからは物不足になります。急激に消費者物価は上昇しています。

戦後は、ハイパーインフレがやってきて、消費者物価は急激に上昇します。
昭和21年(1946年)・・・6411
昭和24年(1949年)・・・82253

わずか三年で、この上昇です。
これが意味するのは、戦前に蓄えていたお金は、すべて紙くずになってしまった…ということです。

戦前の衣食住

生活していく上で基礎的な出費を見てみましょう。
これも現在とは、だいぶ様子が異なるので、よく理解しておいてください。
「衣食住」についてまとめてみます。

まず、衣類について。
衣類の値段は現在よりも、高額でした。
昔の人は「お兄さんの“おふる”を着てた」なんて言いますよね。
お兄さんが着ていた服を、お母さんが繕って、弟に着させるのです。

現在では、衣類に関しては、量販店があるので、そういったことはしませんね。
これは、当時は衣類が高かったからなんです。

次に、食費について。
こちらは、それほど変化はないようです。
バナナのように、個別で高い食べ物はありましたが、全体的には、現在と同様の感覚でとらえれば良いと思います。

最後に住居費ですね。
住居費については、現在のほうが明らかに高いです。
麹町、赤坂、青山といった都心の住宅街で、現在の貨幣価値に換算すれば、家賃10万円で、広々とした庭付き一戸建てが借りられたようです。

麹町、赤坂、青山といったエリアだと、現在では一戸建てではなく、高級マンションが立ち並ぶエリアですね。

また、世田谷区や目黒区あたりの土地の値段が、現在の貨幣価値に換算して、一坪あたり10万円くらいでした。
現在では、このあたりだと、坪単価150万円以上します。

このように、衣食住にかかる費用は、現在とだいぶ異なるのですが、
大まかな目安として、
明治・大正・昭和戦前の1円は、大体5000円〜10000円くらいに換算されると考えると、分かりやすいと思います。

こうした知識が、ご先祖の暮らしぶりを理解するのに、有用なものとなります。
知識を得ることで、古い家族写真を見たときに、粗末な恰好をしているからといって、“我が家は貧しかった”と誤解したり、広い家に住んでいたからといって、“ウチは金持ちだった”と誤解したりすることもなくなります。

家系図を作成する上で、是非、覚えておきたい知識ですね。

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