軍歴証明書・兵籍簿の取り方

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Yummymoon / Pixabay

軍歴証明書・兵籍簿の申請方法

「太平洋戦争の頃の祖父の事を調べたい」といった方が、近年増えています。
戦後70年以上が経過した現在、太平洋戦争に従軍した方は、ほとんどいません。
しかし、NHKの『ファミリーヒストリー』や、『永遠の0』などの影響で、全世代で、こうしたことに関心が高まっています。

旧日本軍に在籍された方の記録は、大切に保管されています。
それを閲覧・請求することも可能です。

一般に「軍歴証明書」と言われるものです。
こちらの記事では、軍歴証明書について、その請求方法を中心にまとめました。

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軍歴証明書・兵籍簿とは

軍歴証明書・兵籍簿とは、旧日本軍に所属されていた軍人・軍属の記録と考えていただければと思います。

軍歴証明書と兵籍簿は、厳密には異なるものです。
戦前作られた兵籍簿をもとにして作成されるものが、軍歴証明書です。

兵籍簿は、厚生労働省や各都道府県で保管されており、申請することで軍歴証明書の交付が受けられます。

軍歴証明書の種類

軍歴証明書は、その内容から二種類に分けられると思います。
一つは、「兵籍簿」をそのまま複写したもの、そしてもう一つは、「兵籍簿」をもとにして履歴書のような形式にまとめたものです。

兵籍簿そのものの写しが軍歴証明書として交付されるのか、あるいは兵籍簿をもとに作成された軍歴証明書を交付されるのかは、各都道府県によって異なります。
ちなみに厚生労働省では、「兵籍簿」をそのまま複写したものが交付されます。

兵籍簿原本の写しが望ましいが…

祖父のことを調べたい、といったような動機であれば、「兵籍簿そのものの写し」のほうが、情報量が多いので、適していると言えます。
しかし、近年の個人情報保護規制の高まりもあって、「兵籍簿そのものの写し」を交付してくれない自治体もあります。

軍人履歴原表とは

海軍に在籍していた方の軍歴証明書は、軍人履歴原表と呼ばれるものです。
軍人履歴原表は、厚生労働省に保管されております。
海軍の軍歴証明書を請求すると、軍人履歴原表を複写したものが送られてきます。

軍歴証明書・兵籍簿の内容について

軍歴証明書の記載内容は、個々によって異なります。
氏名・階級・位階勲等・召集時期・配属先・任官・進級・疾病など様々な記載があります。
どれだけの情報が盛り込まれているのかは、実際に交付を受けてからでないと分かりません。

兵籍簿・軍人履歴原表の場合は、情報量多い

兵籍簿そのものの写しを交付される場合には、もっと情報量が多くなります。
氏名・階級・位階勲等・召集時期・配属先・任官・進級・疾病に加えて、学歴・職業・家族構成などの記載も見られます。

海軍の軍歴証明書である軍人履歴原表についても、兵籍簿と同様のことが書かれています。

軍歴証明書の申請先について

これは陸軍か、海軍かどちらに所属していたかによります。
陸軍であれば、終戦時に本籍のあった各都道府県に申請するのが原則です。
なお、樺太や北方領土に本籍があった場合には、北海道に申請します。

厚生労働省に申請する場合

また、例外があって、将校と、軍属のうち高等官の方については、陸軍であっても厚生労働省に申請します。
台湾籍・朝鮮籍の方についても、厚生労働省に申請します。

そして、海軍の場合は、すべて厚生労働省に申請します。

陸軍か海軍か、よく分からない場合は、とりあえず各都道府県をあたってみると良いと思われます。

軍歴証明書、申請の前に

軍歴証明書を申請する前に、まず確認したいことがあります。
軍歴を調べる対象者の情報について、どのようなことが分かっているでしょうか?
・調査対象者の終戦時の本籍地
・調査対象者が陸軍にいたのか、海軍にいたのか
・調査対象者の最終的な階級
この三つの点について、現在分かっている事をまとめましょう。
なぜ、この三つの事を初めに確認しておくのかというと、これによって、どちらに軍歴証明書を請求するのかが異なってくるからです。

戸籍謄本の請求から

終戦時の本籍が分からない場合は、戸籍請求をしてみましょう。
あとで述べますが、本人以外による申請であれば、戸籍は必要書類となりますので、結局用意することになります。
あらかじめ用意しておきましょう。

陸軍か、海軍か?

次に陸軍にいたのか、海軍にいたのか、確認できているでしょうか。
家族から伝わっている話で、だいたい分かっていれば良いのですが、そうでない場合もあります。

また、飛行機乗りだった場合には、こういった疑問を持たれる方もいると思います。
「飛行機乗りだったので、空軍だったのではないか?」
こちらについては、日本軍に空軍はありませんでしたので、「飛行機乗り」だった場合には、陸軍か海軍かのどちらかに所属していたということになります。
陸軍か海軍、どちらに所属していたのか分からない場合でも、申請できますので、分からなくても構いません。

階級について

また、最終的な階級について知っているでしょうか?
海軍の場合では問題なのですが、陸軍の場合だと階級によって申請先が異なってきます。
これについても、分からなくても構いません。

軍歴証明書請求における基本的な流れ

軍歴証明書を請求における、基本的な流れについて説明していきましょう。

戸籍請求(本人以外の請求の場合)

旧軍在籍者の終戦時における本籍が確認できたら、該当する都道府県(海軍等の場合は厚生労働省)に問い合わせる

各都道府県より資料の有無について回答

申請手続き

軍歴証明書交付

このような流れになります。
申請から交付までの期間は、申請先によって大きく異なります。早ければ数日、遅ければ3か月ほどかかります。

軍歴証明書が交付されない場合もある

残念ながら、軍歴証明書は必ず交付されるわけではありません。
兵籍簿がない場合には、交付されないことが多いです。特に終戦間際に作成されたものは、残っていないものも多いです。
陸軍よりも海軍のほうが残存しているケースが多いです。また、軍属の資料は少ないです。

軍歴証明書を申請する上で必要なもの

軍歴証明書を申請する上で必要となる書類は、申請先によって異なってきますが、大体以下のものが必要となります。
・申請書
・自分と調査対象者との関係を示す戸籍謄本
・調査対象者の終戦時の除籍
・申請者の身分証明書
・申請者の住民票

もしも、調査対象者本人が申請するといった場合であれば、戸籍謄本は必要ありません。
また、手数料が必要なところと、そうでないところがあります。
そういった事も、事前に確認されたほうが良いですね。

軍歴証明書の交付を受けられる条件

軍歴証明書は、重要な個人情報が含まれているために、誰でも閲覧できるものではありません。
各都道府県によって異なりますが、多くの場合、本人もしくは三親等までの親族のみを、対象としています。
つまり、祖父・曽祖父・伯父(叔父)のものは請求可能ということです。

申請書の記載事項について

軍歴証明書を交付されるには申請書を書かなくてはなりません。
書式は、申請先によって異なりますが、主に以下のことを記入します。

・申請者の名前・住所・電話番号
・調査対象者の氏名・生年月日・本籍地
・調査対象者の終戦時の階級
→不明でもよい
・申請理由
→「記録保存のため」「家系図作成のため」といった理由で構いません

軍歴証明書の取得を急ごう

以上のような手順で、軍歴証明書を取得します。
軍歴証明書は、軍歴だけでなく、いろいろなことが分かると思います。
軍歴証明書も、戸籍と同様に、いつ取得できなくなってもおかしくない資料です。
早めの請求を心がけたいものです。

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