苗字から先祖を調べるには、同姓分布をチェック

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同姓分布調査

難易度/  ☆☆
有効性/  ☆☆☆
費用/   ☆
所要時間/ ☆☆
必要なもの/ 先祖の戸籍謄本・電話帳・地図

※調査の前にやっておくべきこと
家族・親戚への聞き取り調査
戸籍調査

「苗字から先祖が分かりますか?」という質問をよく受けます。
結論からいえば、多くの場合、苗字だけの情報で、先祖は分かりません。
しかし、苗字から得られる情報が、家系図作成の大きな手がかりになるのは事実です。
以下、苗字から先祖を調べる方法について、触れてみましょう。

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苗字から先祖が分かるのは、特定の苗字のみ

特定の苗字の場合であれば、大まかなルーツが分かる場合があります。
例えば、「副島(そえじま)」という苗字は、佐賀に見られる苗字です。
佐賀は特徴的な苗字が多く、「江、富、隈」といった文字が入る苗字が多く見られます。
「江頭」、「成富」、「大隈」といったような苗字です。
このような苗字の場合、佐賀にルーツがあるのではないかと考えることができます。

もっと特徴的なものだと、「阿比留(あびる)」という苗字があります。
阿比留姓は、長崎県対馬市の苗字です。
「阿比留さん」というのは、全国的に見ると少ない苗字ですが、対馬市では一番多い苗字です。

このような苗字であれば、大まかな出身地まで特定できるのです。
しかし、何万人も名乗っている苗字になると、同じ苗字でもいろいろな流れがあり、出身地を特定するのは難しくなります。
そういった場合には、他の調査と組み合わせて、苗字の分布を調べていきます。

同姓分布の調査方法

具体的な調査方法について説明してみましょう。
同姓分布を調べるのはそれほど難しくありません。
まずは、江戸時代の先祖が住んでいた場所の近隣から、同姓宅を探してみましょう。

明治時代の戸籍が手に入れば、そこに書かれている最も古い本籍地に、江戸時代の先祖が住んでいたものと思われます。
その周辺地域の同姓宅を、電話帳で探してみるのです。
同姓宅が明らかになれば、その場所を地図に書き込んでも良いですね。
地図は住宅地図のような細かいものを利用します。

同姓宅が多い地域が分かれば、そこが一族の発祥地ではないかと、目星をつけられるわけです
もちろん、この調査によって、本家や親戚の家が分かれば、それもチェックしておきます。

『ファミリーヒストリー』の調査方法

同姓分布は、もっと大まかな使い方もできます。
その具体例を、以前放送されたNHK総合テレビ「ファミリーヒストリー」の調査から紹介してみます。

2016年2月12日に放送されたファミリーヒストリーでは、漫画家・手塚治虫さんの長男で、映画製作などで活躍する手塚眞さんのルーツをたどっていました。

手塚家のファミリーヒストリーとは

手塚家には家系図が残っていて、それによると先祖は、平安時代に活躍した信濃(現在の長野県)の武将・手塚光盛とされています。

しかし、手塚家は明治維新まで、常陸府中藩に仕える医師の家系でした。
常陸というと、現在の茨城県です。

手塚家の系図が本当だとするなら、どこかで、長野から茨城へと、移動がなされたことになります。

同姓分布を手がかりに

手塚光盛は、諏訪郡の出身とされています。
番組取材班は手始めに、諏訪の手塚姓の家を探しました。
しかし、諏訪には、手塚姓の家は、一軒も見当たりませんでした。

そこで、手塚姓の同姓分布を調べることになります。
すると、長野県北部の上田市に、多くの手塚姓の方が住んでいるのが分かりました。
番組では、上田市の同姓宅の調査から、手塚家のルーツが明らかになるという展開でした。
手塚家のファミリーヒストリーについての詳細は、参照記事をご覧ください。
参照記事
手塚眞さんのファミリーヒストリー

苗字から先祖を調べる方法とは

手塚家のファミリーヒストリーでは、同姓分布を調べることで、ルーツ探しの手がかりを得たことになります。

このような方法で、苗字から分かる情報を、家系調査に活用できるのです。
苗字だけで、先祖を調べるのは難しいのは冒頭で述べた通りですが、このように、他の調査と組み合わせると、大きな成果を得られるのです。

前のステップ
郷土史の調査
次のステップ
旧土地台帳の調査

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