戦前の神主という職業
現在、全国に約8万もの神社があるといいます。
どこの町にも一つはあるでしょう。
しかし、常時、神主がいる神社というものは少ないようで、ほとんどは無人の神社です。
現在、神職の方は、約2万人といわれているので、神社の数よりも神職の数のほうが圧倒的に多いということになります。
明治政府の宗教政策の影響
明治4年(1872年)に、国の宗教政策により、神職の世襲は、禁じられるようになりました。
神道が国教化されるにともなって、国が神職の任命権を統括するようになったのです。
これによって、小さな村の宮司の多くは、失職しました。
また、明治期には神社の合併も推し進められ、多くの神社が損なわれました。
明治から昭和戦前期における、神職の養成について
明治時代になって、あらたに神職になった方には、元武士、あるいは廃仏毀釈によって失職した元僧侶などが多かったようです。
時代が下るに連れて、神職養成も制度化されてきます。
神職の養成学校が設けられ、学業を修めたものに、神職の資格が与えられることになりました。
全国に神主を養成する学校は、二つしかありませんでした。
東京の国学院と、三重の神宮皇学館です。
現在でも、こちらの二校が、神職の養成にあたっています。
ご先祖が神職だった場合の家系調査
戦前の先祖が神職だった方の、家系調査について説明していきたいと思います。
まず、どういった神社の神職であったのかによって、あたる資料が異なってきます。
大きな神社の神職であれば、位階や勲章を拝受されるなど、官吏としての待遇を受けましたので、行政文書から、お名前を調べることができると思います。
しかし、小さな神社の神職ですと、そういった資料にお名前が見られないので、もっと細かい資料を見ていかなくてはなりません。
特定の学校を卒業していると思われるので、卒業名簿などをあたっていくことになります。
江戸時代のご先祖の家系図が見つかるかも
戦前のご先祖が神職でいらしたならば、それ以前のご先祖についても興味が湧いてくるものと思います。
江戸時代から続く神職の家系か、そうでないのかを調べてみると良いと思います。
明治時代、制度として神職の世襲は禁止されていましたが、神職を務める親の子が、同じ職業につくことは、よく見られたことです。
江戸時代から神職を務めた家であれば、先祖が宮司を務めていた神社に、家系図が残っているかもしれません。
そういったものが見つかれば、一気にご先祖が判明いたしますので、是非、徹底調査したいところですね。