戦前の獣医
獣医という職業は、動物を飼っていない人には馴染みのないお仕事だと思います。
戦前から、獣医という職業はありました。
昔、牛や馬というのは、とても身近な存在だったのです。
トラクターやトラック、耕作機械などがなかった時代です。
牛や馬は、農家にとって、大切な労働力でした。
労働力の担い手である、牛や馬の具合が悪い、といったときには獣医さんに見てもらうわけです。
陸軍獣医の働き
また、軍隊にとっても、獣医さんは必要とされる存在でした。
陸軍に所属する獣医は、陸軍獣医という官名を与えられます。
陸軍獣医のトップは、陸軍獣医中将といいます。
軍医さんと似たような立場として、理解されると良いかと思います。
陸軍では、いろいろな場面で、軍馬の活躍が見られました。
将校や騎兵隊の乗馬に用いられるのはもちろんのこと、兵器や荷物を運んだりもします。
太平洋戦争中には、たくさんの軍馬が海を渡りました。
現在でもそうですが、戦前においても、獣医になるには、学校で専門の教育を受けることになります。
あなたのご先祖に獣医さんがいたら…
さて、ご先祖に獣医さんをお持ちであれば、どういった調べ方があるでしょうか。
ご先祖が、陸軍獣医を務められたのであれば、調査するのは、それほど難しくないと思います。
官吏(現在の国家公務員)の人事異動については、行政文書が保存されているからです。
この場合は、軍人家系の方と似たような調査方法になると思います。
一方、軍歴の無い、民間の獣医さんについては、どうでしょうか?
この場合、ご先祖の記録を見つけるのは難しくなります。
しかし、獣医さんは、戦前の日本において、それなりの社会的階層にあった方々です。
徹底調査すれば、何かしらの記録にいきあたるかも知れませんので、是非、調査されることをお勧め致します。
そもそも、獣医さんになるには、教育が必要です。
そういった教育を戦前に受けられるのは、それなりの社会的階層に属していたということになります。
明治時代であれば、元武士や地主クラスでしょう。
こうした階層なら、多くの記録が残っていそうな気がします。