戦前の軍医
先祖が軍医だったという方もいると思います。
軍医は、軍人であるとともに医者でもあるわけです。
両義的な存在なのですが、どちらかというと軍人のほうに近いのではないか、と私は考えております。
森鴎外に見る、軍医という職業
文豪・森鴎外は軍医でした。
軍医としては最高の地位である、軍医中将にまで出世しました。
森鴎外が軍服を着て街を歩いていると、子どもたちが「おいっ、中将がいるぞ!」と言って、たくさん集まってきたようです。
軍人といえば、それだけ子どもたちが憧れる職業だったわけです。
軍服の階級章を見て、中将という階級も分かったのでしょう。
すると、子どもたちのなかの一人が「なんだ、軍医か」と言ったら、子どもたちの一団は、「なーんだ」と言って、みんな去ってしまったというエピソードがあります・・・
よく軍服を見たら、軍医であることが子どもにも分かったわけですね。
しかし、「軍人」と「軍医」では子どもたちの受けが、だいぶ違ったようです。
森鴎外は自身が軍人であることを誇りにしていましたから、大変傷ついたといいます。
子どもたちには分からなかったのでしょうが、軍医は軍隊において欠かせない存在です。
兵科の軍人に比べたら地味な存在かもしれませんが、大変な活躍をされていました。
軍医は、専門の養成学校があるわけではなく、大学の医学部や医学専門学校を出て、任官します。
軍医は、位階や勲章、金鵄勲章も拝受されます。
社会的には軍人と同様の待遇を受けました。
もともと、医者家系の可能性が高い
ご先祖が軍医でいらした、という方は、おそらく現在も親戚にお医者さんが多い家系なのではないでしょうか?
例えば、先ほど取り上げました森鴎外の場合ですと、ルーツは島根の御典医で、鴎外の子孫も医者が多いです。
現代でも親が開業していた医院を相続するケースをよく見かけますが、古くからお医者さんというのは、世襲されることが多かったのです。
ということで、ご先祖は軍医だったという言い伝えがある家系においては、江戸時代におけるご先祖もやはり医者をしていた可能性が高いです。
軍医だったご先祖を調査するのは、それほど難しくない
ご先祖が軍医であれば、いろいろな調べ方があると思います。
軍医は、軍人と同様の扱いを受けますから行政機関には、きちんと履歴が保管されているはずです。
もし、ご先祖様が軍医さんでいらしたなら、多くの有用な情報に出会えることと思います。