京都帝国大学出身者の中央官庁での出世は、東京帝国大学出身者に劣ったのか?文官と技官で事情は異なったのか?
京都大学の前身は京都帝国大学。
京大といえば、東大についで設立された帝国大学であり、
現在は京都大学と名前はかわっているものの、
東大に次ぐ、難関の国立大学として知られています。
東大京大と、セットで言われることも多く、
同じ旧帝国大学である、
東北大学や九州大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学よりも、
有名な大学ですね。
京大出身者が、次官になることは珍しい
東大京大とは言うものの、
官僚の世界での出世ということに限ると、
東大と京大のあいだには、格差があったようです。
大正、昭和期の総理大臣には
東大出身者は多くいましたが、
京大出身者は、近衛文麿と池田勇人の2人のみです。
官僚の世界においては、
池田勇人もそうでしたが、
東大法学部出身者が次官レースのトップを走るのに対し、
京大出身者は、わりと地味なポストに就き、
課長までは確実に昇進できまうが、局長はともかく、次官まで出世することは、
あまりなかったようです。
理科系のキャリア官僚では、京大も東大も扱いは同じ
官僚の世界での出世ということだと、
京大は文系のキャリア官僚の世界では、東大法学部に押されていたものの
理系のキャリア官僚である技師や技官といわれる、高級の理科系の官僚の世界では、
京大出身者も、東大出身者と同じくらいの扱いを受けていました。
京大というのはどちらかというと理系の大学というイメージをもたれることも多く、
理系のノーベル賞受賞者は京大が多いのも事実ですね。
鉄道省の技官は、次官にまでなったケースもある
理系の官僚が多い省庁は、
戦前ですと鉄道省。戦後ですと建設省が一番多かったと思います。
技官なのに、次官にまでなった方もいます。
官庁は基本的には、文系のキャリア官僚が次官をつとめるのが通例ですので、
珍しいですね。
技官の世界では、
京大出身者、あるいは東北大などのほかの帝国大学の出身者も
東大出身者とそれほど変わらない扱いを受けていたようです。