先祖が貴族なのに、華族になっていない理由

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WenPhotos / Pixabay

貴族の子孫は、華族なのか?

先祖が貴族だった方は、明治時代に華族になったと言われています。
しかし、貴族の子孫だからといって、必ずしも「華族」になっているわけではありません。
その理由を解説していきましょう。

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華族になれなかった貴族家系

Q、
私の先祖は、下級の貴族だったようで、明治時代初期まで京都の中心部に住んでいました。
先祖が下級貴族だった場合、明治時代の族称は華族になっているのでしょうか?

下級貴族は士族となる

A、
下級の貴族は、地下家(じげけ)と呼称されていますが、こうした家系は、原則的に華族になっていません。
士族になっています。

貴族の子孫だという伝承は?

Q、
私の先祖は、貴族だったといいます。
その後、時代がくだって、幕末の頃の先祖は、鹿児島県で地主をしていました。
先祖が貴族だった人は、明治時代に華族になったそうですね。
ということは、私の先祖も華族だったのでしょうか?

系図仮冒の可能性も考えてみる

A、
江戸時代の貴族のうち、明治時代に「華族」になったのは、幕末の時点で「堂上家(とうしょうけ)」だった家系と、ごく一部の「地下家(じげけ)」だった家系のみです。
堂上家とは、上級の貴族を示し、地下家とは、下級の貴族を示す用語として理解されてください。

もっともっと前の時代に、「貴族」だった家系であっても、公家社会とはまったく縁のない身分となった家系は多くあります。

幕末の先祖が、鹿児島県で地主をしていたのであれば、間違いなく「華族」ではありません。

遠い昔に、貴族だった家から分かれた家系であるか、あるいは系図仮冒の可能性も否定できないと思います。
系図仮冒とは、でたらめの出自を家系図に記すことをいいます。
「先祖が天皇だった、公家だった」という伝承があって、「地方に落ち延びて栄えた」といったような家伝が受け継がれている場合、系図仮冒を考慮する必要があるのです。

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