上司に対して敬語を使わないのは変?社外で使わない敬語の不思議
日本語は難しい言葉であるとは
よく言われますが、
もっとも日本語の用法の中で
難しいのは敬語ではないでしょうか。
もっとも一口に
敬語といいましても、
素直に相手を高める尊敬語と、
自分を低めることで
相手を上位として扱う謙譲語とに分かれますが、
尊敬語はともかくとして、
謙譲語の使いかたは
社会人になっても難しいと
感じる人が多いようですね。
正しい敬語を使えると、上司からの評価は?
社会人ともなりますと、
正しい敬語が使いえないことは
あらゆる点でマイナスな印象を与えます。
きちんとした
敬語を使わないということは、
きっと仕事が
出来ないんだなという印象を
上司から持たれたり、
社外でお客様を相手にしている時に
間違った敬語を連発してしまうと、
もしかしたら
人間性までをも疑われる、
ということにもなりかねません。
上司に対する敬語について
もっとも、社会人の
敬語をめぐる問題については、
いままでお話ししてきたような
敬語そのものがもつ難しさはもちろんですが、
上司に対して
どのような敬語を使えばいいのか、
という点も悩ましいものとしてあるようですね。
今回は、
上司に対する敬語について
考えてみたいと思います。
上司に対しては、敬語が使われるもの
さて、
まず大前提として、
上司に対しては敬語を使うべきでしょう。
なぜなら、
上司とは職場での職階が
上の存在であるため、
組織のヒエラルキーを考えますと、
上司に対して
敬語を使わないというのは不自然ではないでしょうか。
上司に敬語を使わない職場もあるが…
もっとも敬語に限らず
言葉遣いというのは
距離感を表すものですから、
まるで家族や友人同士のような
いつでも和気あいあいとした職場であるのなら
上司と部下の間であっても
敬語はつかわなくてもいいかもしれませんが、
残念ながら
そのような職場は
ごくごく限られたもののようです。
敬語は相手との距離感を示して、使われる
さきほどの
言葉と距離感の言い方を踏まえますと、
敬語とは
特に相手との距離感を表現するものに外ならず、
職場に限らず組織というものは、
基本的に上位下達、
トップダウンで動くものです。
上司に敬語を使わないのは、軽く見ている?
そのような構造を考えると、
上司に対して
敬語を使わないというのは
おかしな話であるということになりますし、
またもし上司の立場であるにもかかわらず、
部下が敬語を使わないとなると、
その上司は
部下から軽く見られているということになります。
社外では、上司に敬語は使わない
さて、
先ほどもお話ししたように
基本的に職場では
上司に対して敬語を使うべきですが、
社外に出ると
また別のシチュエーションになります。
なぜなら、
社外では自分と上司は
一つの同じ立場であるとみなされるので、
上司に対しても
敬語は使わないことになり、
さらには
社外に向けては基本的に
上司を苗字で呼び捨てで
紹介するということになります。
社外で上司に敬語を使わないのは、やや不自然な感覚も…
もっともこのような
社外での発言の場合、
普段は敬語を使って話をしている
上司を前にして敬語を使わない上に
呼び捨てにするのも変な感じがしますが、
先ほどもお話したように
言葉とは距離感を図るものであり、
特に日本語の場合、
その距離感は
その時々の状況によって変化します。
上司と敬語の関係は、日本社会の人間関係を示している
そのため、
社外に出てお客様を前にしたら
上司も身内となり、
敬語は使わないということになるのですね。
敬語の難しさとは、
それだけ
日本社会の人間関係の難しさ、
複雑さを表しているといえるかもしれません。
今回は、
上司と敬語の関係を考えてみました。