職人・商人だったご先祖を分限帳・武鑑で調べる

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stux / Pixabay

分限帳・武鑑の意外な調査方法

分限帳(ぶげんちょう)や武鑑(ぶかん)とは、武士の職員録のようなものです。
分限帳は、江戸時代において、藩ごとに作成された藩士の名簿です。
武鑑は、大名や幕臣たちの名簿です。
こうした資料にあたれば、禄高や役職などを調べられます。

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町人の先祖調査でも、分限帳・武鑑は役立つ!

ご先祖が武士だったという方は、家系図をつくる場合、これらの資料に、あたることになります。
しかし、分限帳や武鑑は、武士の家系だけではなく、商人や職人といった「町人」の家系を、調べるときにも活用できるものなのです。

御用商人・御用職人とは

これは、ほとんど知られていないのですが、実は分限帳・武鑑には、武士以外の人たちも僅かですが出ています。

各藩御用達の御用商人・御用職人、あるいは町庄屋といった人たちです。
江戸時代において、藩の御用達を受けるのは、大変名誉なことでした。
現在でも、皇室御用達とか英国王室御用達といった“ロイヤルブランド”というものがありますね。
それと同様で、城内の出入り業者ということで、ブランド価値を高められたのです。
そうしたブランド価値によって、さらに商売繁盛へとつながり、ますます隆盛することになります。

町人の家系調査の一つの方法として

御用商人・御用職人・町庄屋といった、有力な町人たちは、苗字を許され、城下町において特権的な立場にあったわけです。
士分格としての待遇を受けたものも見られます。

もしも、ご先祖が城下町に住む町人の家系だったのであれば、分限帳や武鑑を調べてみる、という方法があるのを頭に入れておきましょう。
分限帳や武鑑は、年代おきに作成されたので、それを追っていけば、代々のご先祖が明らかになるかもしれません。

ほかの調査結果を参照して、総合的に解釈しよう

もちろん、こうした資料に名前が出てくる町人は、ごく一部の人たちです。
墓地や、過去帳、宗門人別帳などの基本的な調査をした上で、参考程度に考えておくと良いでしょう。

また、分限帳や武鑑には、商人や職人のほかにも、いろいろな職業が見られます。
囲碁棋士・将棋棋士・連歌師・絵師といったものの名も見られます。
幕府や藩は、武士だけではなく、いろいろな職業の人を召し抱えていたんですね。とても興味深いです。

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