戦前のサラリーマンという職業
戦前は、サラリーマンといえば、珍しい仕事でした。
農業や漁業、商工業などに、多くの人が従事していた時代です。
現代のように第三次産業が中心となっている産業構造は、戦後の高度経済成長によって、成し遂げられたものです。
戦前では都市部と地方の差が、実にはっきりとしていました。
都市部では、官僚や学者、医者、サラリーマンなどといった近代的な職業を持った人々が多く住んでいました。
一方、地方においては農業や漁業しか産業しかない、という状況だったのです。
地方で、農業や商工業以外の仕事をしている人をあげてみましょう。
僧侶・神主・小学校教員・村役場の役人・郵便局員・警察官…、せいぜい、これくらいのものです。
村に一人も医者がいないところも、多くありました。
そう考えた場合、サラリーマンというのは、都市部にしか存在しない珍しい仕事だったわけです。
戦前のサラリーマンの実態
朝会社に行って夜帰宅するという、現代人にとっては当たり前の生活スタイルですが、こういった暮らしをしていた人は、当時はそれほどいなかったわけです。
農業や商工業であれば、会社に行かずに、自宅にある農地なり商店なりで働くわけです。
職住一体というやつですね。
戦前のサラリーマンの学歴
戦前においては、サラリーマンというのはエリート階層とされていました。
サラリーマンになるには、大抵の場合、旧制中学卒以上の学歴が求められます。
戦前に、旧制中学に進学できた人は、終戦前の時点でも約8%ほどですから、とても希少な存在だったわけです。
サラリーマンになるには、それ以上の学歴が必要なわけですから、エリートとして一目置かれたのにも納得できます。
戦前のサラリーマンの給料
サラリーマンの給料は、一般庶民に比べれば、高額なものでした。
月給100円くらいが相場とされています。
もちろん、勤務している会社の規模や、役職によって大きく異なるのですが、とりあえず目安としてあげておきます。
現在の貨幣価値に換算すると、月収50万円くらいに相当します。
サラリーマンだった祖父を調べるには
さて、戦前の我が家は、サラリーマンだったという方は、ご自分の祖父や曽祖父といったご先祖の記録を、どうすれば調べられるのでしょうか?
サラリーマンは、官僚や軍人などの公務員ではないので、公文書にお名前が出てくることは、まずありません。
そうなると、ある程度、出世した方ならば、民間企業の役員名簿の類をあたれば、お名前が見られるのではないかと思います。
それほど出世していなくても、資料によっては、経歴を追うことも可能だと思います。
お祖父さんのことを調べてみよう
祖父や曽祖父のことを調べたいという方は、とても多いことと思います。
家系調査は、遠い江戸時代以前の先祖を調べることだけではないのです。
戦前の我が家を支えてくれた、お祖父さんや曽祖父さんのことを、調べてみませんか?
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